#yume

予備校の自習室。

24時間空いているらしく,テキストや飲料も支給しているとかいう高待遇である。講義で扱った『方丈記』の復習を終えて無限に語学の進捗を生んでいる自分はもはや理科類も守備圏と思う。

木が高揚してきたところで休憩がてら下に降りる。階段は予備校のくせにやたらと狭い。思えば自習室も収容所附属の工場みたいに薄ら寒かった。なにをもって高待遇と言えようか。

無事に降りるだけで手一杯な階段を降り,受付に辿り着く。なぜか地理の勉強を試みはじめ,その地獄門でテキストを頼む。しかしテキストがやたらと化学入門シリーズに似ている。気持ち悪く感じたので代りに方丈記を借りようとするが,こっちは本文がない。漫画だ。それも小4と書いている割にはやたらと艶っぽいキャラデザである。小学生も含めてこんなところに24時間打ち込むなどどういう神経をしているのか。

もうどうでもよくなってきたので水を頼もうとするが,これは既に自分で用意してあった。しかしどこに備えたろうか?自室?自室は?いざとなれば秘匿性など一切なくなるこの不機嫌な地上に如何なるパーソナルスペースが定義できようか?かく錯乱したところで目が冴える。

 

背中には汗が垂れ,やたらと喉が渇いていた。

無条件で単位を失うスタンプラリー。だいぶ進んでいるらしい。4つ目を押す。