ケミストリーはケミカルの懐古として
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方々で取り戻すと言われるようになって久しい。我々は取り戻すことを希求し続け,これを取り戻すために宣伝する。取り戻すために,その海の下で我々はその埋没した何某を得ることを試みる。どこから生まれ,どこで発展したのか,その系譜はユニークな根源を探し始める。その無邪気なばかりの探求は,我々をもって始まることを誰も知り得ない。膨大なる蒼に潰されるままに探す限りである。
雑なことしか書けなくなっている。潮時か。
#yume
予備校の自習室。
24時間空いているらしく,テキストや飲料も支給しているとかいう高待遇である。講義で扱った『方丈記』の復習を終えて無限に語学の進捗を生んでいる自分はもはや理科類も守備圏と思う。
木が高揚してきたところで休憩がてら下に降りる。階段は予備校のくせにやたらと狭い。思えば自習室も収容所附属の工場みたいに薄ら寒かった。なにをもって高待遇と言えようか。
無事に降りるだけで手一杯な階段を降り,受付に辿り着く。なぜか地理の勉強を試みはじめ,その地獄門でテキストを頼む。しかしテキストがやたらと化学入門シリーズに似ている。気持ち悪く感じたので代りに方丈記を借りようとするが,こっちは本文がない。漫画だ。それも小4と書いている割にはやたらと艶っぽいキャラデザである。小学生も含めてこんなところに24時間打ち込むなどどういう神経をしているのか。
もうどうでもよくなってきたので水を頼もうとするが,これは既に自分で用意してあった。しかしどこに備えたろうか?自室?自室は?いざとなれば秘匿性など一切なくなるこの不機嫌な地上に如何なるパーソナルスペースが定義できようか?かく錯乱したところで目が冴える。
背中には汗が垂れ,やたらと喉が渇いていた。
無条件で単位を失うスタンプラリー。だいぶ進んでいるらしい。4つ目を押す。
二十日
雑なことばかりをやってきた人生だった。
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やればやるほどに人類皆できることと確信してしまうというものがあって,その預言者としても継承者としても,わざわざ自分がやる必要性がわからないという心境である。あるいはサイエンスを通して神は存在すると言って金をむしり取る修道士にでも成り下がれとでも言うのか。
基礎学にしろ実学にしろ,もはや自明なものに対して多くの血税と金銭をふんだくるだけふんだくって,成長する意思もなければ学習する機能もてんで備わっていない,最早消費する以外に行動原理を備えていない愚かな人間どもを搾取する,神聖さとは全く程遠き業をすすんで行うことほど意地の悪いものはない。
もとい,所詮はその時代数百年のイデオロギーなんだろうと思うとやるせない。よしんばそれがその先の数千数万年の叡智に繋がるとしても,世界はいずれ全てが静かになりその創造者によってオチが締められることになる。萬のものがその上にある以上,そこに落とされた者の全てはその上に愚かにも蠢めく以外になすべきことはないのではないか。その意味で叡智なる者の存在などどこに必要となりうるのか。
最早人類は一切の矛盾でしかない。